子宮内膜症と不妊の原因:不妊の確率と4つの原因
子宮内膜症は、不妊の原因の一つになると言わており、実際、不妊症かもしれないと思って受診する女性の約3~5割の確率で、子宮内膜症の方がいると言われています。
しかし、子宮内膜症だから必ずしも不妊症になるわけではなく、ホルモンの分泌や排卵が正常であれば、妊娠も可能です。実際、芸能人の松浦亜弥さん(通称:あやや)も、子宮内膜症ですが、2014年と2018年に、健康な赤ちゃんを出産しています。
子宮内膜症が引き起こす不妊の原因は、主に、次の4つが考えられています。
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「1.排卵の障害」は、特に、卵巣に子宮内膜症ができる「卵巣チョコレートのう腫」でよく見られます。卵巣チョコレートのう腫になると、正常な卵子の成長や排卵に障害が起こります。そのため、卵胞の成熟もしにくくなり、妊娠しづらくなるわけです。
「2.卵子が卵管を通過しづらくなる」というのは、子宮内膜症による癒着で起こる、不妊の原因です。卵管に癒着があると、精子や卵子が卵管を通りにくくなります。
また、癒着は、卵管だけでなく、子宮、直腸などでも起き、内膜組織の癒着により臓器同士がくっついてしまうと、癒着して臓器の働きが悪くなるため、癒着でも排卵の障害が起きて、不妊の原因となります。
他にも、癒着により、卵巣から飛び出した卵子をキャッチして(ピックアップ機能)卵管に送る「卵管采(らんかんさい)」の動きが悪くなると、卵子をキャッチできず、排卵にまで至らないこともあります。
「3.プロスタグランジン」というのは、子宮内膜症になると活発に放出されるようになる、生理活性物質です。プロスタグランジンは、微量で体の働きを調整する作用をもつ物質ですが、多くなると、痛みを引き起こしたり、子宮を収縮させて流産を起こす原因になったりします。
「4.サイトカイン」も、子宮内膜症になると増える、生理活性物質です。サイトカインも、卵巣・卵管・子宮の機能を障害し、不妊の原因になると言われています。
子宮内膜症は、基本的に緊急性を要する病気であはりませんが、卵巣に子宮内膜症ができる「卵巣チョコレートのう腫」は、年齢とともに悪性になる(癌化する)可能性があるため、大きくなっていれば、手術をした方がいいと言われています。
ただし、それ以外の子宮内膜症の症状は、月経の周期に合わせて定期的に起こるだけなので、命に関わる病気ではありません。そのため、子宮内膜症は、すぐに治療を受ける必要はありませんが、不妊で悩んでいる方は、一度、産婦人科に相談に行くのもいいかもしれません。子宮内膜症の症状で困っていて、自分でもなんとかしたいと考えている方は、子宮内膜症の対処法で人気の『自宅で改善する魔法の方法』も、チェックしておくといいかもしれません。