子宮内膜症の検査の仕方:タイミングや生理時
子宮内膜症の検査の仕方にもよりますが、タイミングとしては、生理時にいくのは、あまりよくないかもしれません。というのも、子宮内膜症の検査の仕方で、内診のときに、膣の状態を見たり触診したりして確かめることがあるためです。そのため、子宮内膜症のタイミング的には、生理後から排卵日前が望ましいです。ただし、子宮内膜症は、女性ホルモンの影響で症状が強弱する病気で、特に生理時(月経時)に症状がひどくなることが多いため、症状のツライときは、生理時でも、産婦人科を受診しましょう。
なお、子宮内膜症の検査では、子宮筋腫の検査のように、子宮に内視鏡を入れたりすることはないため、子宮内膜への刺激は少ないです。しかし、触診で腹部や子宮に圧を加えるため、妊娠していると、胎児に影響のでる可能性もあります。そのため、子宮内膜症の検査を受ける予定であれば、タイミング悪く妊娠しないよう、診察日までは避妊をしておくようにしましょう。
子宮内膜症の検査の仕方で、基本的なものは、次の3種類です。
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「問診」は、月経痛、過多月経、月経時以外の下腹痛、性交痛、不妊の訴えなどの状態を聞きます。子宮内膜症の症状でよく見られる、生理時にレバー状の血の塊がたくさん混じる症状は、過多月経の一種です。生理時の月経血が増えると、血液をサラサラにする酵素の量が足りなくなり、血が塊って出てくるわけです。
「内診」は、子宮の様子を、直接見たり、触ったりして調べる検査です。まず、膣鏡(クスコ)という器具を膣に入れて、膣の中を診察します。さらに、触診として、片方の手の指を膣に入れて、逆の手をお腹の上に置いて抑えながら、子宮を動かして、子宮の動きの制限や痛みの有無を調べます。なお、子宮内膜症は、子宮と直腸の間にある「ダグラス窩(か)」のくぼみや、卵巣にできやすいため、ダグラス窩に痛みをともなうしこりがあるかチェックしたり、卵巣の腫れもチェックします。
「エコー(超音波検査)」には、お腹から探触子(プローブ)を当てる「経腹法(けいふくほう)」と、指の太さ程度の探触子を膣に入れる「経膣法(けいちつほう)」という2種類の方法がありますが、経膣法の方が多くの情報を得られるため、一般的には経膣法が用いられます。
ここまでの3種類の検査の仕方で、症状の出にくい「卵巣チョコレートのう腫(卵巣に子宮内膜症のできる病気)」の有無もわかります。
以上の検査の後、自覚症状がなければ、一般的には、経過観察となることが多いです。
一方、子宮内膜症が大きかったり、症状があれば、次のような再検査や治療も行われます。
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「血液検査」の「CA125検査」は、腫瘍マーカーですが、子宮内膜症でも値が高くなるため、子宮内膜症の補助診断として用いられます。同様に、血液検査の「CA19-9」も、子宮内膜症で高くなるため、補助診断として利用されることがあります。
「CT」と「MRI」は、主に、卵巣チョコレートのう腫が疑われたときに、確認のために行われます。
なお、悪性(がん)の疑いのある場合は、早期に手術をすることになります。
子宮内膜症は、症状がない場合でも、進行性の病気なので、経過観察をした方がいい病気です。また、病院での診察に加えて、自分でも何らかの対策を行いたい方は、子宮内膜症の対処法で人気の『自宅で改善する魔法の方法』も、チェックしておくといいかもしれません。