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子宮内膜症の原因とやりすぎ:男の人や性病との関係
子宮内膜症の原因が、男の人とのセックスのやりすぎだったり、性病だったり、という噂もあもあります。なお、子宮内膜症の原因には、いくつかの説がありますが、主に次の3つが考えられています。
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「1.月経血の逆流」は、最も有力な説です。月経血の一部が、何らかの原因で卵管から逆流し、子宮内膜の組織がお腹の方に運ばれてきて、子宮外で子宮内膜の増殖するのではないかと考えられています。
また、月経血の逆流が原因だという説は、男の人とのセックスのやりすぎと子宮内膜症が関係しているという噂の根拠にもなっています。男と人とセックスをやりすぎて、月経血が逆流したり、性病により月経血が逆流するのでないか、という考えです。しかし、タンポンにより月経血の逆流が増えることはないことが分かっているため、同様に、男の人とのセックスのやりすぎでペニスにより月経血の逆流が増加するとは考えにくいです。また、同様に、性病によって月経血の逆流が増える可能性も低いです。
なお、あまり知られていませんが、実は、月経血の逆流は、多くの女性に起こる一般的な現象です。しかし、全ての人に子宮内膜症が起こるわけではないため、子宮内膜症の発病に関係しているのは、実際には、個人の免疫力の差だと考えられています。人によって免疫力が違うため、月経血の逆流が起こっても、子宮内膜症を発症する人もいれば、発症しない人もいるわけです。
「2.子宮以外の場所で直接生成」というのは、子宮を持たない男性でも、子宮内膜症の発生が見られたためです。女性ホルモンを薬としていて使用してる男性にも、子宮内膜症が見られたため、月経血の逆流以外の原因も考えられています。
一つ分かっているのは、卵管や膣の一部、膀胱、腹膜などで、直接、子宮内膜が作られることがあるということです。卵管や膣の一部、膀胱、腹膜は、生物発生学的には子宮と同じ細胞でできているため、子宮と同じように、女性ホルモンのエストロゲンの作用によって子宮内膜の組織が直接作らることがあります。そして、それが、子宮内膜症の原因となるという説です。
なお、子宮内膜は、一般的には女性ホルモンのエストロゲンの作用で作られますが、環境ホルモンによる影響の研究もおこなれています。環境ホルモンと呼ばれる、農薬やダイオキシンは、毒性が強く、発がん性もある物質ですが、ダイオキシンはエストロゲンと似た働きをして、子宮内膜症を作る下地を作っているとも考えられています。
「3.子宮内膜の浸透」というのは、子宮内膜が浸透して、直接、腹腔内や骨盤に侵入するという考え方です。子宮内膜の組織が、子宮の筋肉層である子宮筋層を浸透して、直接、子宮外に流出するという説もあります。
以上のように、子宮内膜症の原因にはいくつか考えられますが、その原因を見ていくと、個人の免疫力の強化や、女性ホルモンのコントロールなどで、子宮内膜症に対処できる可能性も考えられます。子宮内膜症について、さらに理解を深めて対応していきたい方は、『自宅で改善する魔法の方法』もチェックしておくといいかもしれません。