子宮内膜症 診断方法

 

子宮内膜症の診断方法:検査でのチェックポイント

子宮内膜症の診断方法は、確定診断をするには、組織検査をする必要があります。そのため、確定診断をするためには、腹腔鏡や開腹手術で、お腹の中の組織を直接とって組織検査を行い、子宮内膜組織があることを証明する必要があります。

しかし、日常の診察や検査では、いきなり腹腔鏡を使ったり、開腹手術をすることはないため、診察で症状の問診をした後、次のような診断方法を用います。

  • 内診
  • エコー(超音波断層法)
  • 血液検査
  • 画像診断(MRI、CT)

「内診」では、特に、「ダグラス窩(か)」と呼ばれる子宮と直腸の間のくぼみに癒着がないかを見ます。子宮内膜症は、ダグラス窩に癒着を起こすことが多いため、内診で子宮を動かしてみると、子宮の動きが悪かったり、痛みを感じたりします。実際、子宮内膜症にかかっている人はダグラス窩が直腸と癒着しやすいため、子宮内膜症の方の約4割に「子宮後屈(しきゅうこうつ)」と呼ばれる子宮が背中側に寄ってしまう症状が見られます。子宮後屈は、現在では、特に手術などで治すことはありませんが、不妊症や腰痛、月経痛などの症状が出ているときは、手術の対象にもなってきます。

なお、内診で、腹部を押さえたときに痛みを感じたり、卵巣が晴れているときは、卵巣に子宮内膜症の起きている「卵巣チョコレートのう腫」が疑われます。また、膣壁や外陰部、会陰部(膣と肛門の間)に暗紫色の小さなしこりがあるときは、腹膜外子宮内膜症の可能性があります。

「エコー(超音波断層法)」では、卵巣チョコレートのう腫の有無を確認することができます。また、子宮内膜症が進行したときに見られる腹水の確認もできます。ただし、エコーでは、子宮内膜症の初期の症状は分かりませんし、腹膜の病変や癒着も分かりません。

「血液検査」は、主に、腫瘍マーカーであるCA125などを測定します。CA125の値は、腫瘍を見るための値ですが、子宮内膜症でも高くなるため、子宮内膜症の診断方法の補助診断としても一般的によく使われます。

「画像診断」は、MRIやCTを使って行い、エコーでは捉えることのできない子宮内膜症の詳細な状態を知ることができます。

以上の検査方法で子宮内膜症の状態をチェックした後、腹腔鏡検査や開腹手術をするかを、決定します。

「腹腔鏡検査」は、お腹に穴を開けて内視鏡を入れて、直接、初期の内幕賞の病変を確認する検査です。通常は、初回の検査で腹腔鏡検査まですることはないので、安心してください。検査といっても、局所麻酔(部分麻酔)をしてお腹に小さな穴を開けて内視鏡を入れるため、負担も大きいので、治療も一緒にやってしまうことがほとんどです。腹腔鏡下手術では、電気メスなどを同時に使って、子宮内膜症による癒着を剥離したり、病変を切除・蒸散・焼灼(しょうしゃく)して除去したりします。

子宮内膜症の診断方法は、以上のように、複数の検査によるチェックポイントを総合して、判断を下します。ただし、確定診断は、あくまで、病変組織を取って組織検査しなければ分からないという点については、理解しておきましょう。子宮内膜症を、自分でも少しでも軽減したいと考えている方は、『自宅で改善する魔法の方法』もチェックしておくといいかもしれません。