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子宮筋腫の検査の仕方:2段階の検査の仕方
子宮筋腫の検査の仕方は、一般的には、次の2つの段階に分けられます。
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「1.受診日当日の検査」は、その日のうちに行われる検査です。当日に行われる検査には、次のような検査があります。
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「問診」では、自覚症状や月経の状態を質問されます。
「内診」の検査の仕方は、膣鏡(ちつきょう)という器具を膣の中に入れて、視認による診察します。さらに指を入れて、子宮をはさんで、筋腫の大きさを確認する触診を行います。
「超音波検査」の検査の仕方は、経腹法(けいふくほう)と経膣法(けいちつほう)の2種類があります。経腹法は、超音波を発するプローブ(探触子)をお腹の上から当てる方法です。また、経膣法は、指の太さほどのプローブを直接膣内に入れる方法です。
一般的には、経膣法の方が多くの情報を得られるので、経膣法で超音波検査を行います。処女の女性の方の場合は、経腸法と呼ばれる、肛門からプローブを挿入する方法で検査することもあります。超音波検査まですれば、筋腫の有無や数、大きさ、位置などがわかります。
「細胞診」は、子宮筋腫とはあまり関係なく、子宮頸がんの検査としておこなれます。しかし、婦人科の検診は、子宮頸がんのための細胞診がメインといっても過言ではないため、女性なら、念の為に受けておきたい検査でもあります。細胞診といっても、木製のヘラや綿棒で、お医者さんが子宮頚部(子宮の先)から細胞を取るだけで、子宮の入り口部分は痛みの感覚も弱いため、ほとんど痛みはありません。
「血液検査」は、貧血の有無を調べます。また、子宮筋腫以外の病気と鑑別するために、CA125や、LDHの値を調べることもあります。CA125は、腫瘍マーカーの一つで、35以下なら正常値ですが、35以上になると、悪性腫瘍の疑いも出てきます。LDHの酵素も腫瘍の判別で使われ、220以下、または、229以下くらいが正常値ですが、それよりも高くなる場合は、悪性腫瘍の可能性があります。
「2.後日の検査」は、受診日当日の検査結果により筋腫の治療が必要だと判断された場合、追加で行われる精密検査です。後日の検査には、次のような検査があります。
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「MRI検査」は、超音波検査より広い範囲の画像を得られる検査です。精密な画像により、筋腫の数や大きさ、位置、深さ、タイプを確定診断します。MRI検査は、子宮腺筋症や子宮肉腫などといった、子宮筋腫に似た病気との鑑別にも用いられます。もし、悪性腫瘍である子宮肉腫の疑いがある場合は、造影MRI検査を行うこともあります。造影MR検査の仕方は、静脈注射により造影剤を入れてMRI検査をする方法で、血流状態がよく分かるようになるため、通常のMRI検査よりも、より詳しく、病気の性質を診断することができます。
そして、しっかりとした診断がついたら、子宮鏡検査、子宮卵管造影検査、血液検査などを、さらに必要に応じて行っていきます。
基本的に、子宮筋腫の検査の仕方は、痛みをともなう検査はほとんどないので、あまり心配する必要はありません。なお、子宮筋腫で症状がツライ場合は、自分で子宮筋腫に対処できる方法もあるため、気になる方は『自宅で改善する魔法の方法』もチェックしておくといいかもしれません。